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良いマニュアルとは?マニュアルの経済効果を解説

良いマニュアルとは?マニュアルの経済効果を解説します。

1. マニュアルの評価

良いマニュアルの基本は下記です。

  1. 正しいこと
    間違った情報はマニュアルでは論外です。
    製品が壊れたり、使用者のけがにもつながりかねません。
  2. わかりやすいく役に立つこと
    短い文章で書き、誤解を招かない表現をしてください。
    誰が読者かを理解して、読者に役に立つ情報を書くことです。
  3. 安全に使えること
    製品を安全に使っていただくために、安全注意事項、やってはいけないことなどをハッキリと書いてください。
  4. 見やすくて読む気になるデザインであること
    文字の壁のようなマニュアルは、そもそも読んでもらえません。
    ・文字でびっしり埋めず、版面率70%以下にする
    ・イラストや図を入れる
    ・情報の区分を明確にする
    最低限の読みやすさを配慮してください。
  5. 情報が探しやすいこと(索引、目次)
    欲しい情報が探せなくては意味がりません。
    項目・タイトルは、読者の既有知識を意識してください。

4.と5.も大切ですが、1~3を優先してください。
特にデザインは、要注意です。
こだわり過ぎるとコストと時間ばかりが掛かる結果になります。

2. マニュアルの経済効果

必要なことが、短い文章で、誤解を招かず正しく、わかりやすく書かれていれば、
正しく、安全に製品を使うことができます。

必要な方法が不足、間違った情報、わかりずらい表現、、、、、、
間違った操作で、製品が壊れたり、使用者が怪我をする心配があります。
大きな事故が起きかねません。
お客様からの問い合わせや苦情が増え、不要なコストが掛かります。

もしマニュアルに正しく書かれていれば防げた事柄はありませんか?
苦情や問い合せに対応している時間は、生産に寄与しません。
その時間を生産に充てることができれば、、、大きな機会損失です。

特に産業機械などの製品は高額な生産財です。
製品が停止すれば、お客様は多くの損失がでます。
ですから迅速な対応が欠かせません。
サービスマンが訪問すると、操作が間違っていただけで修理は不要、
「マニュアルがわかりにくかったから」とお客様に言われ費用請求できない!
大損害です。

今から40年ほど前、パソコンが急速に普及したとき、技術者がマニュアルを書いていました。
そのため、専門用語の羅列で読者は何をどうしたらよいかわからず、
問い合わせ電話がものすごい数になりました。
コールセンタを設置、人員増など、膨大なコストがかかりました。
そして、マニュアルの改善に取り組みました。

マニュアルは製品の一部です。
製品が素晴らしくても、マニュアルがわかりずらいと、製品が良くないと思われます。
製品イメージや企業イメージを大きく傷つける結果になります。

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3. 翻訳コストへの効果

文書作成の基本に忠実であることが大切です。

短い文章で書くという基本を忘れないでください。

  • 1動作1手順で書き、動作と結果を分ける
  • 箇条書きを活用する
  • 不要な語句を削り短く書く
  • 同じ言葉や名称は繰り返さない
  • 長々した表現は使わない
  • 普通の言葉で書く

長い文章、あいまいな意味の文章などは、翻訳者を困らせます。
余計な時間がかかり、誤った翻訳を招きます。翻訳コストが増えます。

表現や用語の統一にも注意してください。
現在は、“TRADOS”などの翻訳支援ソフトの活用が当たり前です。
機械翻訳も普及しつつあります。

翻訳支援ソフトは、翻訳された文章を、原文とともにデータベースに登録し、
同じ/類似の原文をデータベースから自動的に引用します。
それによって翻訳枚数を減らしコストダウンを実現します。

同じ事柄を説明しているのに、表現が異なっている、、、、
翻訳支援ソフトは、新規に翻訳が必要と判断します。
これは、長い文章ほど起きます。短い文章で書く、重要です!