ライターの仕事の進め方、手で下書きを書くことは必須です。
テクニカルライターの皆さんは、どんな風に仕事を進めていますか。
良いマニュアルを効率よく書くために必ず実行して欲しいことがあります。
1. 取材
1.1 事前の情報収集
技術担当者の方に直接お会いして情報収集です。
技術担当者の方の貴重なお時間をいたただくわけですから、
事前の下調べを十分にして、時間の無駄を省き、
内容の濃い取材をしなければなりません。
- 開発コンセプト
- 製品の位置づけ
- 機能、性能、仕様
- 安全性
- 操作性
- ターゲットユーザー
など、できる範囲で収集してください。
1.2 基本知識
製品の基本知識、たとえば産業機械の研削盤を取材するのであれば、
研削盤の構造、種類、加工方法などの基本知識は必ず調べておくことです。
(知っていれば不要です)
砥石の種類、スパークアウト、プランジカット、トラバースカットなど
基本知識を知らなければ取材になりません。
こんな笑い話を聞きました。
ライター「どうやって固定するのですか」
担当者「そこにタップが切ってありますね」
ライター「タップとは何ですか」
担当者「ねじです、だからそこでボルトで固定するのです」
これでは時間もかかり、内容の薄い情報しか収集できません。
営業スタッフは、新規のお客様を訪問する前に、
会社の資本金、社員数、支社支店、方針、売上、利益、概要、商品など調べます。
どんな仕事でも念入りな事前準備は基本です。
2. 原稿作成において
2.1 2つの作業を同時にしない
さあ、原稿作成というときに、下書きを書かずに
いきなりパソコンに向かって文章を書く人がいます。
これは効率的なのでしょうか。
「手で下書きを書くより、効率的です」
本当でしょうか?
そのライターの原稿は、コピペをしたときの修正ミス、変換ミス、
また意味が分かりにくい文章が目立ちました。
2つの作業を同時に行っているのです。
- 情報の内容を考える(全体構成・文章情報)
- パソコンを操作する
人並み以上に優れた方であれば出来るかもしれません。
しかし、普通の人にはできません。どちらかが疎かになります。
2.2 手で下書きを作る
手で下書きを作ってください。
情報を整理整頓することがの目的ですので、
自分が読めるレベルの殴り書きで構いません。
50ページであれば、50ページ作成します。
注意しなければならないこと、重要なこと、不明なこと、
参考にする情報源などは、赤ペンで記載しておきます。
これによって、全体の情報がまとまります。
残りの必要工数も正確に把握できます。
パソコンに向かったときは、頭の中に情報がまとまっています。
下書き原稿をを清書するレベルの仕事になるので、
パソコンの操作ミスも減ります。
情報の再確認もできます。
下書きが完成した時点で、
70%の仕事(時間ではなく中身・質です)が終わっているのです。
案件によっては、ラフ原稿と下書き原稿の2段階に分けます。
2.3 手で書くの意味
元来、手で書くことには重要な意味があります。
人は、考えることで右脳を使います。
書くことで、左脳をを使います。
手を動かすことで、触覚を使います。
見ることで、視覚を使います。
手で書くことは、情報をまとめるために大きな効果があります。
手で書くことによって、
トータル工数が必ず短くなります。
原稿の質が必ず良くなります。
3. パソコン操作の補足
少なくとも正しい文字入力方法を覚えてください。
改行、スペースでの文字合わせなどは、
ライティングの効率が悪いだけでなく後工程の作業効率が悪くなります。
書式スタイルの基本操作は、必ず身に付けてください。