短期間で上達できるテクニカルライティング

コツを知れば短期間で上達します

マニュアル営業をするときは事前の情報収集!そして4つの注意すべきこと

マニュアル営業をするときは、事前の情報収集が肝心です!
そして4つの注意すべきことを紹介します。

制作会社の立場で、社外のメーカー等への営業をする場合を例にします。
※会社内の提案でもポイントは同じです。

 

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さあ、売るぞ!

1. 事前の情報収集

できるだけ多くの情報を事前に集めてください。
会社の規模や人員、製造している製品仕様や市場環境、現在のマニュアル制作体制などの情報をできるだけ集めます。

  • 家電製品のように同じマニュアルを多く発行する場合
  • 異なる製品が多くマニュアルの種類が多い場合
  • 年間に作成するマニュアルが多い場合、少ない場合
  • マニュアルのボリュームが数百ページを超える場合、少ない場合
  • 読者が一般消費者の場合、専門の技能者や技術者の場合
  • 輸出が多く、複数の言語への翻訳が必要な場合、国内だけの場合
  • マニュアル制作を担当する専門の部署がある場合、ない場合
  • 原稿を技術担当者が書いている場合、別の担当者が書く場合
  • マニュアル間で共通箇所が多い場合、少ない場合

そして、その情報を基にアピールポイントを決めます。
具体的に困っている内容が分かっていれば、更に絞り込みます。
分かっていない場合は、幾つかの想定をして準備をします。

◆テクニカルライティングがポイントであれば、アピールします。
・設計者が本業に専念できるので費用対効果は大きい!
・餅は餅屋!
マニュアルを書くのは技術者でなくテクニカルライター

◆安全対策がポイントであれば、アピールします。
・安全注意事項の記載が重要!
・国際規格や法令を遵守することが大切!

DTPなど制作体制がポイントであれば、アピールします。
・自動組版システムでDTP工数が不要になり、
・納期短縮とコスト削減が実現できる!

◆翻訳体制がポイントであれば、アピールします。
・翻訳支援システムや自動翻訳システムを導入することで、
・納期短縮とコスト削減が実現できる!

2. 営業の場での4つの注意

注意1. 既有知識を意識する

専門用語には、注意してください。
自分たちの当たり前は当たり前ではありません。
ノンブル、キャプション、ヘッダー、フッターなど、案外と知りません。
「ページ番号、ノンブルとも言います。」など、説明時には言い回しに注意してください。

むずかしい話をやさしく話すのが良い説明、やさしい話をむずかしくは悪い説明です!
わかったような、わからない説明では、相手は魅力を感じません。

注意2. メーカーの本業はモノづくりを忘れない

メーカーは、マニュアル制作が本業ではありません。
•今はマニュアル制作に携わっていても、異動するかわかりません。
•新しいシステムやソフトも同じ人がずっと使う訳ではありません。

相手の環境を理解して提案してください。
お客様に状況によって最適な提案は異なります

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(売りたいだけが本音と疑われるとダメ!)
注意3. できているつもりを疑う

お客様は、本当はできていないことがわかっていないことがある点です。

  1.  ライティングができているつもり
  2.  翻訳はできているつもり
  3.  DTPができているつもり
  4.  安全への対応ができているつもり

お客様は、正解を知らず、自社の現状が把握できていないかもしれません。

1.に関して
短い文章で書く、一文一義で書く、箇条書き、誤解を招かない文章で書く、普通の言葉で書くなどの基本を理解しているかを探ってください。

2.に関して
ネイティヴが翻訳しているから大丈夫だと思っている人が多々います。
日本人であれば誰でもが正しい日本語を書けるわけではありません。
それと同じです。翻訳には、必要な知識やスキルがあります。
この点を理解しているかを探ってください。
また、翻訳支援機能や自動翻訳を理解しているかも探ってください。

3. に関して
ワードなどでよく見かけます。
・文字フォントやサイズをその都度選んでいる。
・文の頭を揃えるときにスペース、リターンで位置を合わせている。
・毎回ルーラーを操作している。
・文章修正すると、文字がずれてしまうことがある。
・文字を消したら図が消えてしまったことはある。
・文字と図がずれてしまったことがある。
・図の位置調整は目視だけでやっている。
・図の位置がそろえるのに苦労している。
・用紙サイズが違う文書は別ファイルで作っている。
・目次を手作業で作っている。

便利な機能を知らないので、できているつもりになることがあります。
できているのか、つもりなのかを探ってください。

4. に関して
不十分な理解で理解しているつもりになることがあります。
製造物責任法(PL法)、厚労省の指示、IEC82079やEC指令などを国際規格など、
理解できているのか、つもりなのかを探ってください。

注意4. 相手の不安を先に説明する

訪問販売セールスでは鉄則です。
お客様が不安に思っていることを先に説明して、
不安を払拭してから本題に入ると成約率が高くなります。

「訪問販売では、その場の雰囲気で買っていまうことがあります。
 でも大丈夫、クーリングオフ制度があります。
 2週間以内に、この文面のハガキをだしてください。
 簡単に契約を解除できます。だから、安心してください。」

こう説明してから話に入っていました。
実際に教えた文面のハガキが届いたこともあります。(笑・汗)

マニュアルでも同じです。

・制作したマニュアルの版権や著作権は誰にあるのか?
・そのシステムは、本当に簡単に使えるのか?
・追加費用などが都度掛かるのか?
想定してください。

3. さいごに

どんな営業でも同じです。

事前の準備に時間を掛けること!
プロとして恥ずかしくない知識をしっかり持つこと!
役に立つ情報を提供するというプライドを持つこと!