製品を輸出する場合は、CE認証、EC指令、GB規格、KCs認証、ANSIにも注意してください。
1. CEマーキング
EC指令で規定された,必須安全要求事項に適合した製品に貼付するマーキングのことです。CEマーキングを貼付した製品は、EU域内を自由に流通できます。1995年からは、CEマーキングのない機械を欧州へ輸出することが規制されています。
CEマーキングを貼付するためには,次の事項を満たしていなければなりません。
- 関連する各指令の必須安全要求事項を満足すること。指令に記載されていない一般仕様などについては,EN規格(欧州規格;次項参照)に適合すること。
- 技術文書,適合宣言書を作成・保管すること
2. EC指令
欧州市場に出回る製品に対して安全性を要求しているEC理事会が制定した指令です。
次の3つの指令があります。
- 機械指令(Machinery Directive)
- EMC指令(Electro-Magnetic Compatibility Directive)
- 低電圧指令(Low Voltage Directive)
機械指令 Machinery Directive 2006/42/EC
欧州地域に機械装置を輸出する場合は、EC指令に従わなければいけません。
EC指令は規格ではありません。法律です。
機械指令 Machinery Directive 2006/42/ECは、2009年12月29日に強制的に発効されました。
その中で取扱説明書で注意すべき内容を紹介します。
- 取扱説明書は欧州公用語(英・独・仏)または機械が据え付けされる現地言語で作成すること。
- 欧州公用語にて作成されたものを原文とし、原文取説には「Original instructions」の文字を明記、原文を元に現地言語に翻訳された翻訳取説には「Translation of the original instructions」の文字を明記すること。
- 製造者・販売会社の社名と住所を記載すること、。
- EC適合宣言書を記載(コピー)する
- 機械の概要説明(詳細)を記載すること。
- 機械の使用目的を記載すること。
- 予見できる誤使用を記載すること。
- 騒音測定値を記載すること。
CEマーキング、EC指令への対応は、外部コンサルタントに依頼することをおススメします。
3. GB規格
中国国家標準です。IEC(ISO)82079を基本としています。
- GB5296(消費品使用説明)
- GB5296(高業品使用説明)
取扱説明書においては、IEC(ISO)82079を基本としていますので、IEC(ISO)82079の要求事項を満たしていれば、特別に意識しなくて構いません。
製品仕様に関しては、カタログよりも取扱説明書の記載が優先される点は注意してください。
4. KCs認証
韓国の製品安全規制です。韓国版のCE認証です。
KCsマークには、下記の2種類のカテゴリーがあります。
- 「安全認証」
認証団体KOSHA(韓国産業安全保健公団)による認証が必要 - 「自律安全確認申告」
メーカーが主体となり製品安全検証を行い結果をKOSHAに申告し承認を受けることが必要
取扱説明書においては、IEC(ISO)82079を基本としていますので、IEC(ISO)82079の要求事項を満たしていれば、特別に意識しなくて構いません。
韓国語の取扱説明書が必要です。
5. ANSI
ANSI:米国規格協会(American National Standards Institute)
ANSI Z 535.6には、安全注意事項の区分、警告ラベルの書き方、文字サイズを含む、
安全表記に関しての要求や取扱説明書への要求が書かれています。
危険(Danger)、警告(Warning)、注意(Caution)以外に下記が存在します。
- 注記 Notice
人身傷害に関連しない(注意事項機械の破損など) - 安全指示 Safety Instruction
安全作業実施に関する一般的な指示、安全具の設置場所を示します。
そのため【注意】の定義は下記となります。
それが避けられなかった場合、けがの発生または機械の重大な破損に至る可能性のある状態を示します。
5.おわりに
テクニカルライティングの基本は、この<その6>で終わりです。
<その1~その6>の情報を自由に使えれば、初級プロレベルです。
このサイトの記事は、短い期間で上達するための
コツを抜き出した情報です。ある意味でノウハウです。
非常に少ない情報量です。
しかし、この情報を理解している人は多くありません。
ですから十分なのかもしれませんが、それでは本当のプロではありません。
それで満足しないでください。
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製造物責任法(PL法)などの書籍は更に多くのページ数です。
ネットの情報に共通しているのは、A4情報(短い情報)である点です。
発信者がまとめたものであり、発信者の考えが反映されています。
誤った情報があるかもしれません。
自分自身でしっかりと「軸・幹」を持つために、
そのために、ここで紹介している書籍は是非とも読んでくださん。
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そうすることによって、自分自身の上達するコツが見えてくるはずです。
そしてテクニカルライティングがおもしろくなるはずです。
まずは、初級プロレベルになり、自信を付けてください。
そして「軸・幹」を持った本当のプロを目指してください。