短期間で上達できるテクニカルライティング

コツを知れば短期間で上達します

2,000円の商品(変動原価70%)を20%の値引き|どれだけ売上が必要ですか?

数値目標を持つ必要性、損益分岐点を知るべき理由を紹介します。

テクニカルライティング関係の仕事でも数値目標は大切です。
成果が見えないと頑張る意欲が湧きません。

ほとんどの方が数値目標を持っていると思います。

・1時間に何ページ書けたか
・1時間に何ページDTPができたか
・時間単価は幾らか
・納期を守っているか(納期遵守率)
・ミスの数は減っているか
・後工程からのクレーム数は減っているか
・実作業以外の時間はどれだけか(稼働率
 、、、、等々

必ずデータを取って、見える化(グラフ)して、成果を確認してください。

f:id:openup21:20210828165122j:plain
f:id:openup21:20210828165132j:plain
グラフで見える化

稼働率

注意して欲しいのは、稼働率です。

時間当たりのアウトプットが多くても稼働率が低ければ、アウトプットは少なくなります。

稼働率を下げる原因には、
(1)何かを探している時間が長い
(2)他の人からの質問や確認が多い
(3)電話やメール対応が多い
  などがあります。

(1)は、机、パソコンのデータ、資料が整理整頓されていないからです。
(2)は、後工程の人に気配りがされていないからです。
(3)は、なぜ電話やメールが多いのかを調べてください。
解決できない場合もありますが、工夫すれば解決できるものもあるかもしれません。

時間=お金

技術スタッフに取材することは、どういうことかを理解してください。
設計という大きく生産に寄与する仕事を中断させるのです。
その金額は大きいことを知り、しっかりとした準備をするのが礼儀です。
(技術スタッフの時間単は通常、1万円を超えるはずです)

知らないと損する、売上、経費、利益。損益分岐点

売上高総利益率、売上高営業利益率売上高経常利益率自己資本回転率、固定比率、流動比率自己資本比率労働分配率損益分岐点など、さまざまな経営指標があります。
財務経理担当の方、金融関係の方など、仕事で必要な方でなければ知りません。
また、5つの基本指標はビジネスマンの常識とも言われています。
損益分岐点
・売上利益率
自己資本比率
流動比率
労働分配率

難しい財務・会計の勉強はしなくてもよいです。
でも、売上、経費、利益、損益分岐点だけは知ってください。
仕事がおもしろくなります!

f:id:openup21:20211031124348j:plain

売上・利益・経費の基本

知らなければ、現状を正しく判断できません。
知らなければ、適切な目標を立てることができません。
知らなければ、間違った努力をしてしまいます。

売上20%アップと目標を立てても、
その20%と言う数字が間違っているかもしれないのです。
闇雲に頑張っても結果は出ません

日本選手権100m走で優勝したいと思っていても、
目標タイム12.00秒としていては、永遠に優勝できません。
正しい目標と頑張りが必要です。

経費とは

「コスト(経費)意識を持ちなさい!」管理者や経営者がよく言うセリフです。

コスト(経費)とは何であり、それが売上と利益にどう関係しているのか、
それが分からなければ、何をどうすればよいのか分りません。

f:id:openup21:20211102143921j:plain

コスト(経費)には、固定費と変動費があります。
固定費は、
売上高の増減によって比例的に増減する費用です。
材料費、仕入費、外注加工費、事務用品費、消耗品費などです。

変動費は、
売上高の増減に関係なく、ほぼ一定的に発生する費用です。
役員報酬、社員給料、家賃、光熱費、保険料などです。
(但し残業代は変動費です)

図で見てみます。
変動費がライン①
固定費がライン②
総費用がライン③(①+②)

f:id:openup21:20210820143321j:plain

損益分岐点とは

これに売上高のラインを加えます。
売上高ラインと総経費ラインが交わる点が差し引きゼロのポイントです。
このポイントが損益分岐点です。

f:id:openup21:20210820143324j:plain
売上高が損益分岐点を超えれば黒字、売上高が損益分岐点を下回れば赤字です。

下記が損益分岐点を計算する式です。
損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

売上高が同じでも総経費が下がれば、利益は増え、損益分岐点が下がります。

変動費と固定費のどちらを下げるかで効果は違います。

変動費が下がると、総経費ラインはゆるやかになります。

固定費が下がると、総経費ラインは一気に下がります。
その効果は絶大です。

f:id:openup21:20210820143318j:plain

だから企業は経営不振や不況になると、人件費を減らそうとします。
期間を定めた非正規社員を増やす理由もこのためです。

簡単な例題

f:id:openup21:20211124142621j:plain

例題1)差し引きゼロにするために必要な売上は?

独立して飲食店を始める予定です。赤字にしないため必要な売上を考えています。

下記が経費です。
・人件費:40万円
・家賃など:20万円
・食材(材料費)は売上に対して25%です。

60万円の売上では経費を賄えません。
なぜなら、60万円の売上に対して25%の材料費(15万円)がかかります。
25%の材料費を考慮して、60万円÷0.75=80万円が必要です。

例題2)20万円の利益を出すために必要な売上は?

飲食店を始めてから3か月が経過しました。
2号店も出したいので、毎月20万円の利益を出したいと思いました。

下記が経費です。
・人件費:40万円
・家賃など:20万円
・食材(材料費)は売上に対して25%です。

固定費60万円に加えて利益20万円、80万円の固定費と考えてください。
25%の材料費を考慮して、80万円÷0.75=106.7万円が必要です。

例題3)値引きして同じ利益を得るために必要な売上は?

売価2,000円の商品、変動原価が1,400円(70%)です。
売上が悪いので、値引きして売上を増やそうと思い、20%の値引きを予定しています。

下記の計算式で求めることができます。
必要な売上増=値引き率÷{(1-変動比率)-値引き率 }
0.2÷{(1-0.7)-0.2 }=2.0
200%2倍の売上が必要です。

もし変動費のほとんどが仕入価格の場合は、変動原価1,400円は変わりません。
売価2,000円で売れば、600円(2,000円-1,400円)が1個売った時の粗利です。
100個売れば60,000円が粗利です。

売価1,600円で売れば、200円(1,600円-1,400円)が1個売った時の粗利です。
100個売れば20,000円が粗利、300個売って60,000円の粗利が得られます。
300%3倍の売上が必要です。
f:id:openup21:20210820144512j:plain
変動比率の高い商品は値引きの影響が大きくなります。
多くのお客様で忙しかったのに利益が減ってしまうことになりかねません。

映画館は、お客さんの数が増えても経費があまり変わりません。
値引きをしてでもお客さんを集めた方が得策です。

例題4)ミスをした損失はいくらでしょうか?

ある飲食店で、アルバイト店員のA君が売価500円のラーメンを落としました。

下記がラーメン一杯当たりの経費です。
材料費:200円
人件費:150円
雑 費: 70円(箸、コショーなど)

(A)作り直してお客様に出して代金をいただいた場合
作り直したので、材料費の200円は損失です。
一杯作り直したからと言って、人件費はほぼ増えません。雑費も同じです。
代金500円をいただいているので、500円-(200円×2回)-150円-70円=▲120円

(B)お客様に時間がなく、食べずにお帰りになり代金をいただけなかった場合
作り直していないので、1杯分の材料費の200円、人件費150円は変わりません。
雑費は発生しません。
代金500円はいただいていないで、-200円-150円=▲350円

自分の会社や仕事では、どうでしょうか?
売上、経費、利益、損益分岐点に興味を持ってください。